【舞踏WSを終えて①】思う以上に、わたしは強かった。

竹之内淳志さんのフランス・ピレネーでの「舞踏ワークショップ」に行く前、
わたしの心は、これまでの人生への後悔や懺悔、
弱すぎる自分への怒りに満ちて真っ黒だった。

 

離婚した時のトラウマ、後悔、罪悪感が根深く心の底に残り、
日本ではなかなか社会に適合出来ず、何を生業にこの先生きていけばいいか分からない、
経済力もない、自立もしてない、、、そんな自分への怒りや不安。

 

だから、何とかしたい!って、フランスに来たのに
留学生活は案外地味だし、集団生活が苦手で
フランス語のクラスも楽しくないし、語学自体が嫌になった。

学校から帰ってきたら
勉強せずに、孤独を埋めたくてYou tube観たりして
逆に自分への自己嫌悪感が増すばかり。

 

「あぁ、わたしってどこにいっても、本気になれない人間なんだ。」

 

何やってるんやろ?こんなんじゃあかんやん。
なんのためにフランスに来たん?

 

不甲斐さに悔しくて泣きながらも
一歩踏み出せずに、塞ぎこんでふてくされてる自分、
目の前にある問題から逃げて「どうせ自分にはできない」って諦めてる自分が
めっっっちゃくちゃ嫌いだった。

 

考えなくてもいいのに
学校に行きたくない理由を周りの友達にどう思われるだろう?

って嫌われる心配したり、先生の評価とかも気にして
「体調不良で・・・」とかって嘘ついてる自分がしょうもなく感じてた。

ワークショップに参加した理由

だから!

このワークショップでは、

 

そういう自分をぶっ壊したかった!!

 

価値観、常識、捉われてる考え方、過去、未来、すべて。

 

普段我慢して人に合わせてるところ、
押し殺してる本音、全部取っ払って自分を解放したかった。

落ち込むたびに無駄に思い出す、過去の後悔やトラウマを
すべて捨てて、今を生きたかった。

嘘をついている自分に気付いてるからこそ
本当は何を望んでるのか知りたかった。

 

6年間舞台役者をしていたわたしは、
芸術には、深い自分と繋がる力があることを知ってたから

精神も体力も酷使して踊ったあとに、どんな想いが自分に残るのか知りたくて
再び竹之内淳志さんの「舞踏ワークショップ」に参加したんだ。

ひとりなんかじゃない。

1週間、毎日自然の中で8時間踊る。
花や樹、風、石と会話したり、それらに成って踊ったり、
メディテーションしながら歩いて自分と向き合うこともあれば
時には仲間と大雨の中で歌って叫んで踊ったり。

 

そうするとね、、

まるで原始時代を生きてるみたいに、自然と自分の境目がなくなっていってさ
自然が静かにわたしの言葉に耳を傾けてくれてるのが分かるんよね。

子供の頃は、木々や花と会話できるって信じてたし
会話してたなぁ~って思い出せたよ。

 

参加者との距離感も踊りの中でどんどん縮まってさ
みんなの深い愛情や優しさでもつれてた心の糸が解けて、ホッとしたというか
すんごく安心して癒された。

 

「ぜんぜん1人なんかじゃないやん。」

って思えたんよね^^

魂の踊りでさらけ出す

そんな踊りの最終目標は、自然に成るんじゃなくて
自分になる、自分をさらけ出す、

 

魂の踊り。

 

表面的じゃなく、自分の最も深い悲しみや心の傷、
トラウマ、怒り、悪とされている感情をすべて出しもって
自分という人間を踊る。

 

実はこれ、とてつもなく怖い。

 

特に日頃、実はなかなか人に心を開けない私にとって
隠しているものをさらけ出すのは、かなり勇気がいる行為だから。

 

でも。
怖がって足踏みしたら、ここに来た意味がない。
わたしが向き合うべきは、樹々でもなく自分自身。

 

嫌われてもいい、引かれてもいい、笑われてもいい。

わたしの内側すべてを差し出そう。

 

そう思って、3日目に行った初めての「自分の踊り(約3分)」の中で
わたしは、、、

 

一切の妥協なく、自分をさらけ出した。

 

涙が止められず、沸々湧いてきたのは「怒り」
抑え込めず、思わず叫んだ。

そして、右手を地面に3回たたきつけた。

気付けば、両手で首を絞めるような姿勢になったり、
それを手放して地面にひれ伏したり。

 

自分の存在自体に対する憎しみ、過去への後悔、罪悪感、
その裏側にある悲しさ、虚しさ、
過去に失ってしまった人、心、時間、すべてに想いを馳せながら
とにかく魂に身を任せてからだを動かした。

わたしは強かった。


そのあと、舞台を降りてからも涙が止まらなかった。

 

自分の内側に込み上げてくる、
これまで押さえつけていたものや恐怖、不安に気づいたからだと思う。

そんな私を見て、隣に座っていたエルダが抱きしめてくれた。
彼女の優しさにも泣けてきて、我慢せず胸でわんわん泣いた。

 

友達の前でもあんなに泣いたことはないのに
なぜかあの空間ではそれが出来てしまうのは

みんな自分を出す恐怖を知っているし、同じように
生きることに素直に苦悩しているからだと思う。

 

数分間、彼女の優しさに抱かれて、、、
落ち着いてからはみんなの踊りを見た。

 

胸の奥に秘めている暗闇や
生きたいという欲求も強く感じる、
本当にすばらしい時間だった。

 

その後びっくりしたのは、、、
仲間達がわたしに、

 

「素晴らしかった!踊ってくれてありがとう!!」
「あなたの叫び声は凄まじく美しかった!」
「君の中には、大きなパワーが眠っていたんだね!」

 

と褒め称えてくれたこと。
コンテンポラリーダンサーじゃないの!?と聞いてくる人もいた。
(コンテンポラリーどころか、ダンス自体苦手の極みなのに笑)

 

「あなたから伝わってきたものがすごくあった、感動した。」
泣きながら伝えてくれた人もいた。

 

さらに後日、びっくり&超~嬉しかったのが、
とある人が私の踊りや、それ以外の行動を見て

 

「彼女は、すごく強い。心が強い人だ。」

 

と言ってくれたこと。

 

フランスに来る前も、来た後も、
ずっとずっと自分は踏ん張れない弱虫・・・

心が弱い人間だと思ってたから、
「強い」って言われて

めちゃくちゃびっくりしたんよね。

 

でも!!言われてすぐに、

ほ~らっ!やっぱり私はめっちゃ強かったんだーー!
これまでの人生が合ってなかっただけなんだーーー!!
ぅおおおおおーーー!!

 

と、すんなり納得(笑)

人間、適材適所があって
魂が喜ぶ場所に置かれれば、人は努力を努力とは思わない。

いくら身体や脳が疲れてても、必死にやり抜きたい!
って思うもの(なんだとワークショップで実感した!!)

 

めっちゃ好きやったフランス人に(笑)
あなたは強い。と言われて、嬉しくて、わたしはその日から
妙な強さを心に秘め、孤独を恐れず過ごせるようになったんだ!!

 

次回に続く

おすすめの記事