朝の魔法にかけられて

早朝4時半、パソコンに向かっている。

外の薄暗さが落ち着くので
ステンドグラスにだけ灯りを灯して
珈琲を淹れた。

 

まずは一息・・・

はぁ。
吸が深まっていくのを感じる

珈琲の温かさが身に沁みて
舌のうえに広がる苦さが朝の感覚を研ぎ澄まし
生きている実感が湧く。

 

なんて安らぐ時間なんだろう。

 

時間に余裕があるから
こうも気持ちが穏やかになるのか

雨の音が心のすき間を埋めて
「いま」という時間を過ごすわたしを
満足させてくれるからなのか

 

せっかくなのでベランダに出た。

朝の時間は、人の目を気にせずにいられるのもいいな。

 

小さなベランダから、小さい街を眺めてみる。

 

まだ夢の中の人、子供のお弁当つくりを始めた人
朝御飯の用意をし始めた人、仕事の準備に取り掛かる人
仕事が終わった人

 

たくさんの人が、それぞれの朝を迎えているんだなぁ
と思うと、

 

誰一人歩いていないが
この世界にひとりだけ、という実感が不思議と湧かない。

 

同じひとりの時間でも、夜は
生きていくことへの怖さ、不安、つらさに苛まれるのに
朝はなぜかひとりが心地よい。

 

これは、朝の魔法だと思う。

 

澄んだ空気が肺に取り込まれ
血液がスムーズに流れて指先が温まり
頭に気持ちいい酸素が巡って、からだの境目が薄まり
自分が世界の一部になっていく感じ

 

この瞬間を感じている、今を生きる、

ってこういうことなのかもしれない。

 

何も考えていないわけじゃない
目の前に広がる世界をただ感じて、同化しながら
想いを巡らす

 

クリアな思考だからこそ、何にも影響されず
自分や他人を考えられるのかも

 

余白があるからこそ

目の前の景色を受け止めることができる

自分や周りのことを思いやることができる

 

さて。
これから何をするかな。

 

今日はどういう気持ちで過ごそうか?
何をしたいか?

 

昨日までのことなんて忘れて

明日のことは考えず、今日だけを見てみよう。

 

1日が始まるワクワク感に包まれながら
ホカホカしたやさしい気持ちを味わえる。

 

この静寂な時間は
わたしにとって、なくてはならない大切なもの。

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